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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-172


(震える指先で。 そっと、贈り物を差し出した。)

(それは、先程描き上げた、絵だった。)

『今、ここにいること。』

『あなたといること。』

『嬉しかった。』

(紫苑は、小さく震え。 今にも泣きだしそうだった。)

『届け。』

(二人を見守る皆は、心の中で。 強く祈った。)

『届け。』

(緊張感を和ませようと、佐織は、皆の前に笑顔を向けた。)

「写真。 写真撮ろっ。 ね、皆。」

『・・/// 何とか言ってよ、雨宮・・っ。』

「・・紫苑・・。」

(二人は、動かぬまま、立っていた。 佐織は、紫苑を励まそうと、頷いた。)

『・・届いて・・。』

(祈る佐織の視線の先で、夏樹の表情が変わり。 何かを告げようと、唇が動いた。)

『すべてが、今日のためにあったとしても良い。』

『嬉しかった。』



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