HOMENovel
Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter19 『甘い誘惑』 19-13
「随分遠くまで、お散歩に来たんだね。」
(紫苑は、足元を見て。
小さな黒ネコがいるのを見つけた。)
「おいで。」
(紫苑は、小さな子ネコを、
膝の上に乗せた。)
「まぁ。 かわいい。」
(チイが、振り向く。)
「紫苑ちのネコちゃん?」
(佐織も、バナナを頬張りながら、振り向いた。)
「ううん。
ご近所の野良ネコちゃん。」
「ときどき、家に遊びに来るの。
かわいいでしょう。」
「ほんとね。」
(チイが微笑んだ。)
「きみも、食べたかったのね?」
(紫苑は、クレープから。
甘い生クリームをほんの少し。
『 次ページへ 』 『 前ページへ 』