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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter20 『迷子』 20-1
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「ニャァ」
(ひとしきり御馳走になった、小さな黒ネコは。
カフェテラスの円形広場を離れ。
再び、小町通り沿いに、足を運んだ。)
トトトトッ
(小さな黒い身体は。 赤いレンガの歩道を人波を縫って
進む。)
(小町通り脇の路地。
夏樹たちの乗る。 リムジンが止まったすぐ近くで、
ふと足を止めた。)
「ニィッ」
(黒ネコの位置からは、リムジンは見えない。)
(ネコは、別の目的のために。
その場に足を止めたのだ。)
スゥッ
(丁度、ネコが止まった辺りに。
不可思議な。 景色が歪む。
現象が起こった。)
ピチャン・・
(何もない中空に。 水たまりに、投じられた一滴の雫の様に。)
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