HOMENovel

Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter21 『道しるべ』 21-14


(突然の、異変に気付いた。)

(四角い縁取り眼鏡の奥で、真剣な瞳が画面を見つめる。)

「・・いえ・・。

これは、いつもと違いますね。

ひょっとして、ひよこさんの方の反応でしょうか?」

(後部座席で。 毛布から、顔を上げた白が、
映像に切り替わったモニターを指さした。)

(毛布に身を包む白の、
白く流れる髪の奥、うつろな瞳は。 その場の緊張感からは、
かけ離れていたが。)

(眠りかけた白が、顔を上げたことは。
言われなくとも、良くない状況を示していた。)

「まずい〜よ〜・・、菖蒲ちゃ〜ん・・。

見てごら〜ん・・。 女の子だ・・。」

「女の子が〜・・、ぴよちゃんを〜・・。

持ってるよ〜・・。 どうしよう〜ねぇ〜・・。」

(白の声は、こんな時でさえ、眠気を誘うようだった。)

「!

追いかけます!」



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ