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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter21 『道しるべ』 21-17


(ほんの数秒の間に。)

(紫苑に触れる、ぎりぎりの距離に、
夏樹は、駆けこんだ。)

ダッ

[「2・・。」]

(空間が途切れる瞬間。)

(腕をいっぱいまで伸ばし、
紫苑に手を差し出す。)

『届いた・・!』

「きゃっ・・。」

(紫苑は。 伸ばした手が。 触れるほど近づいた、
色白の少年に驚き、思わず目を閉じた。)

[「1・・。」]

「手をっ・・!」

「はっ・・。」

(考えている暇はない。
夏樹の声に、目を開いた紫苑は、

目の前に差し出された。
白い指先に、触れた。)

「くっ・・!」

(おぼつかない紫苑の手を、



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