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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter21 『道しるべ』 21-5
『・・お前の力が・・。 こいつらの側にあると思うだけで・・。
俺は、ぞっとする・・。
とても、耐えられそうにない・・なぁ。』
「くっくっ。 こいつらは・・皆。」
「屑だ・・。」
サァァァッ
(冷たいフェルゼンの視線の先に。)
(流れる、暖かな。 街の風に乗って。
一人の人物が、現れた。)
「・・・!」
(虚ろな目で、不機嫌に、街並みに目をやっていたフェルゼンの。
血の様に赤く光る瞳に。 飛び込んでくる、一人の人影がある。)
ザワザワザワッ
(ただ、行き過ぎる。 多くの街行く人々の中で。)
(たった一人。 その人だけが。
フェルゼンの瞳を引き付けた。)
「・・誰だ・・あいつは・・。」
(人波の中で一際目立つ、その人物を、フェルゼンが捉えた。)
(ゆっくりと、街中に現れた。
細身の少年。)
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