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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter9 『行くぞ』 9-4
(手を引き、窓ガラスにもたれかかる。)
「はいはい。 規則ね。」
(ふてくされた夏樹に、菖蒲が説明した。)
「FOTが活動を許されるのは、結界の中だけです。」
「一応、私たちの目的が市内の偵察である以上、結界が未完成の場所で
自由に外部と接触することは・・。」
(菖蒲の説明は、ほとんど夏樹の耳に入っていなかった。)
サァァッ
(わずかに窓から吹き込む風に、夏樹は目を開けた。)
ブブーッ
ザワザワザワッ
(街の喧騒と、人々の声が、耳に届く。)
(繁華街は、すでに多くの人が行き交い、賑やかだった。)
『ここが、新しい街。』
(夏樹に届く、風見市の風と、人々の足音。 笑い声。)
『何だか、わくわくする。 活気がある街だな。』
(信号が青に変わり、ゆっくりと走り出す車の中で。 夏樹は、出来るだけ
通りすぎる人々。 一人ひとりに注意を払った。)
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