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Voice ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter14 『窓際の席』 14-8


「掴まってろ。」

ピカッ

(光は、指先を、空間の狭間に向け。 指で円を描くように、
指先から発せられる光の輪で、その場所に印を付けた。)

キンッ

(光の輪が一瞬浮かび上がり、次の瞬間。 その場から見えなくなった。)

(それは、メンバーにだけ見える、光の印となった。)

「この大きさなら、静乃にデータを届けて。 自動修正出来るな。」

「誰も入らないように、葵。

影を残しておいてくれ。」

「ええ。」

チリッ

(葵は、左手の銀のブレスレットを揺らし。
そっと、美しい手のひらに。 息を吹きかける動作をした。)

「ふぅっ・・。」

(葵の吐息と共に。 薄紫の淡い、ベールの様な霧が。
その場所にたちこめる。)

シュワッ

(霧のベールは、オーロラの様に、紫に色彩を変え、
光の付けた、印の箇所を。 影に隠した。)



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