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Voice ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter20 『迷子』 20-8


(クロエは、フェルゼンから離れ。
透き通る自分の身体を見た。)

(長くしなやかな手に、金の星座が散りばめられた服を身にまとい。
不思議な切り込みがある。 赤紫色の服が。
クロエの豊かな胸や、長く白い脚を美しく見せていた。)

(地面に届くほど長い。 黒髪。
ポニーテールに束ねられ、両脇から流れる髪が
身体に纏わりつく。 蜘蛛の糸の様だ。)

(服のスリットから見える。
美しい左足の付け根に。 フェルゼンの首筋に刻まれているのと同じ、
不思議な黒く丸い、幾何学模様のマークが彫られていた。)

(クロエは、そのことを誇らしく思うように、
しなやかに歩いた。)

クロエ「フェルゼン・・。」

「ここで、あなたの願いが叶うはずね。」

「私は、傍にいるわ。」

(クロエは、小悪魔の様に、小さな唇で微笑んだ。)

フェルゼン「くっくっ。」

(フェルゼンの赤い瞳が、にやりと微笑む。)

クロエ「でも・・、さっきは驚いたわ。」



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