HOMEVoice

Voice ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter21 『道しるべ』 21-9

(ワイシャツの内側で、小さな金属音が鳴る。)
チリンッ

夏樹「・・はぁっ。」

(夏樹は、深い紺色の瞳を歪めた。
握られた真っ白な手の内側で。 服に隠れて見えない。
首から掛けた、小さな銀の指輪が鳴った。)

夏樹「・・っ。」

バッ

(夏樹は、自分に向けられる気配を、
振り払うように。
大きく、後ろに振り返った。)

夏樹『誰だ・・?』

(息を整え、あたりに目を凝らす。)

夏樹「・・っ。」

夏樹『誰かが居る。』

ドクンッ・・

(夏樹は、立ち止まり。
周囲の人々に意識を向けた。)

(しかし、自分に向けられた視線の主は見つからない。)

夏樹『“闇”とは違う・・

別の、何かが・・。』



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ