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Voice ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter36 『はじまりの夜・ひとひら』 36-13


カチャン・・

(可動式の書棚を開き、奥のベッドルームに向かう。)

トサッ

夏樹「ふ〜・・。」

(柔らかなベッドに腰掛け、横になろうとし。
ベッドルーム側から、書棚の内側の壁を見た時だった。)

夏樹「あっ!」

(夏樹は、途端に、ベッドから腰を上げた。)

夏樹『・・!』

「すごいな・・。 綺麗だ・・。」

(夏樹は、大きな紺色の瞳を見開き。
向こう側からは見えなかった、内側の壁に掛けられているものを見た。)

夏樹「これ・・。」

「・・桜だ・・!」

(夏樹は、思わず立ちあがり。
書棚の内側の壁に掛けられた、一枚の、大きな絵に見入った。)

夏樹「へぇ。」

「・・油絵・・かな?」

(でこぼこした表面は、絵具の後を残していた。)

夏樹「すごい。」



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