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Voice ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter37 『時を生きる』 37-3
キンッ
(聖は、左手の指にかけた。
幾つもの銀の指輪の中から、煌めく銀の鍵飾りを外した。)
聖『屋敷の裏手にあるガーデンの奥に。
この特別なバラの庭は、いつでもそこにあったが。』
カチャッ・・
(聖は、銀の鍵を、アンティークの扉に差し。
鍵を開けた。)
キイッ
聖『・・思い出には・・。』
『誰もがいつでも、出会えるとは限らない。』
『だから僕は。
扉を開ける前に、
深い、紺色の瞳を思い描いた。』
トッ
(扉の向こうは、四方をバラの壁に囲まれた。
広く、四角く切り取られた。 芝生の庭になっていた。)
トッ
(白いスーツの裾が、金の装飾を煌めかせ。 靡く。)
聖「会えたね。」
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