HOMEVoice

Voice ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter37 『時を生きる』 37-8


「そうだ。」

(粒樹は、ベンチに座り同じ視線になった聖の。
輝く、金色の瞳を。 深い紺色の瞳で見つめた。)

粒樹【大切なものを・・失くしても・・?】

「ああ。」

(二人の距離は、縮まり。
粒樹は、小さな膝を。 聖の膝の上に乗せた。)

(幾重にも重なる、淡いレースの裾が。
聖の白いスーツの上に、舞う。)

粒樹【・・たった一人に・・なっても・・?】

(深く、ベンチに背中を沈ませた聖の。
視線の先で。 覆う様に、粒樹は、聖の瞳を上から覗いた。
深い紺色のソバージュの髪が。 聖の頬に触れる。)

(粒樹は、聖の胸に。 小さな身体を預けた。)

「くっくっ。 理解されないのは、今に始まったことじゃない。」

「そんな事は、平気さ。」

粒樹【・・聖・・。】

【わたしは・・。

あなたに・・、幸せになって。

ほしいのに・・。】

「粒樹・・。 気付かない振りはよしてくれ。」



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ

Voice TOP MENU


【イメージ楽曲ページ】へ*