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Voice ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter56 『傍にいる』 56-18


「今夜は、冷えるだろう。」

バサッ・・

(晃は、濡れるのも気にせず、黒い上着を脱ぐと、
目の前にある時宗と同じ背丈の墓石に、
掛けた。)

「俺が傍にいる。」

***

シュウウウーッ

(同時に、艶の傍らにいた、男性は消えた。)

(艶は、微笑み。 囁いた。)

「わらわも、皆のもとに戻るぞ。」

***

・・トットッ トッ・・

(雨が降りしきる中、聖の屋敷に戻った晃を。
待っている人がいた。)

ザァーッ・・

(雨の中、自分に傘を差しかける。 その人の声に、
晃は足を止めた。)

時雨「お帰りなさいませ。 晃様。」

「艶様は、すでにお戻りです。」



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