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Voice 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter79 『太陽と月(太陽)』 79-14


(すぐ目の前に、何か。 巨大な、透明な壁が、
ソラの進路をふさいでいる。)

ドンッ

(ソラは、拳で見えない、透明な壁を叩いたが。 びくともしない。)

ソラ「んっ、ぎぎぎっ・・!」

(両手で、引き戸を引く様に、壁に手をかけてみたが、どこにも扉は無く、
開かなかった。)

ドンッ

ソラ「ミイ・・!」

(ソラは、両手の拳で、壁を叩いた。)

ミイ【ソラ・・!】

ソラ「はっ・・。」

(目を見開くソラの前に、透明な壁の向こうに。 涙して立つ、幻の様な
ミイの姿があった。
ミイは、そっと。 開いた両手で、壁に触れた。)

ゴォォォーンッ

(突然、耳元で、鐘の音が聞こえ。 ソラは耳をふさいだ。)

ソラ「あっ・・!」

ゴォォォーンッ

(かろうじて目を開け、鐘の音が聞こえる空を見定めた。)



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