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Voice 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter79 『太陽と月(太陽)』 79-2


(ミイと呼ばれた少女は、手にしていた風見通信という地方紙を右手でぎゅっとにぎり。
少年のシャツの背中を思い切り引っ張った。)

ミイ「高2です〜っ!」

ソラ「わぁ〜っ、何だよっ! 引っ張るなって。」

チリリリンッ

(歩道からはみ出たソラにつられて、ミイもバランスを崩し、爪先立った。
通り過ぎる自転車を避け。 ミイを歩道に押し戻し。
ソラは、ベルを鳴らした自転車の主に、ぺこりと頭を下げた。)

ソラ「・・すみません。」

「ったく、何すんだよ? あぶねーな。」

(そう言い、ソラは。 間近でミイに、やっと振り向いた。)

ミイ「くすすっ///」

「鈍くさいんだ〜っ、ソラ!」

ソラ「俺かっ!?」

(光る。 ビー玉の様な水色の瞳は、怒っていながらも
楽しげだった。)

ミイ「シャツ出てるよっ?」

(壁際に避難し、身体を少しかがめたソラの、水色の瞳に見つめられ。
ミイは面白そうに、だらだらに制服のズボンからはみ出た白いシャツをそっと指さした。)

ソラ「お前だろっ。」

「は〜ぁ、暑っちい・・。」



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