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Voice 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter80 『太陽と月(月)』 80-3
ビュワッ・・
【ゴワワワワーッ・・】
(猛獣の姿の“闇”は、爆風に弾かれ。 喉元から。 千切れる黒い飛沫が、
灰色のコンクリートに。 ぼたぼたと、大粒の雫となった。)
(大きく溜まる。 流れる銀色に光る黒い液体は。
夏樹の足元を染め。 攻撃を打ち出した夏樹の白い右手に、黒く滴り、纏わりついた。)
夏樹「はぁ・・っ。 はぁっ。」
(肩で息をし、深い紺色の瞳がゆがむ。)
夏樹「まだ、“欠片”が取れない・・。」
「おかしいな、いつもより、全力を出してるつもりなんだけど。」
夏樹「少し休んでいたから、鈍ったのかな?」
(言うと、夏樹は苦笑した。)
ピコンッ
(左腕に留めた黒い腕時計の呼び出し音に、瞬いた。)
静乃[「夏樹くん。 そろそろ戻って、光くんが欠片を回収したら、
そちらに向かうから。」]
夏樹「静乃さん。 光さんの周り、すごい数じゃないか? 当分来れないよ。」
「それとも、次の時間。 静乃先生の授業だから、来てほしかった?」
(通信機の向こうで、静乃はため息をついた。)
静乃[「・・、1時間したら一旦戻ってって言ったでしょう? もう・・。」]
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