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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter10 『接触』 10-1
「せんせ〜! 静乃先生、いますか?」
ガララッ
(風見ヶ丘高校、職員室の扉が開き。 一人の女生徒が覗き込んだ。)
「あれ? いないのかな?」
(背の高い女生徒は、長いストレートの茶色の髪をサラサラとなびかせ。
教員机の間を縫うように、視線を移した。)
「失礼しま〜す。」
(凛々しさを感じさせる。 茶色のプリーツスカートに、茶色のベスト。
白いブラウスの胸元に赤いネクタイを締めていた。)
(胸元には、校章のピンバッジがとめられていて。)
(白い一枚羽根の紋章に、ローマ字でKAZAMIと描かれている。)
***
「おっと、いけない。」
(静乃はあわてて、通信用ヘッドフォンを外した。)
「菖蒲くんをからかってる場合じゃないわ。」
(ヘッドフォンには、Fの文字を象った鍵のような紋章。
鍵の両脇には、赤い翼。 紋章の下には、金色の文字でFOTと刻まれている。)
プチッ
(いくつもの長いコードを無造作に引き抜くと、空間を遮断し、
何食わぬ顔で、本来の職員室の中にある。 教員机の書棚の向こうから、微笑み返した。)
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