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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-32
『夏樹』と引き換えに。」
「粒樹を取り戻す。」
***
サクッ サクッ
(太陽が昇り、熱を持ち始める。 青々とした芝生の上を踏みしめ。
木々を、白手袋の手が、押し上げた。)
「・・夏樹様。」
「どちらに・・。」
(熱さだけではない汗が、菖蒲ののどに流れた。)
(そう遠くない場所にいるとわかっているのに。
垣間見えた、記憶と、思念の恐ろしさに。 気持ちが焦り、
流れ出る重い圧力に、身体が思うように進まない。)
『指先に、触れる感覚。』
『これは、記憶・・。』
(菖蒲は、のどを鳴らし、息をのんだ。)
「聖様の思念が、混じっている。」
「・・《記憶》が見える。」
「Ability to Remember」
「記憶回復。」
「これが、私に眠る力なのでしょうか。」
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