HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter104 『風の声』 104-135
ズズズッ
バシバシバシッ
(強く、引き込まれる衝撃に。
辺りの黒い波が舞い散った。)
「ぴよちゃん・・!」
(ひよこは、強い力に耐えきれず。)
(紫苑の手の中で。 崩壊し、砕けた。)
バキッ
『!』
(紫苑は、それでも恐れず。)
(ひよこの残骸を胸に。 夏樹に手を伸ばした。)
(指先が、眠る夏樹の腕に触れる。)
ザバザバザバッ・・!
(三人を捉えようとする、恐ろしい黒波に。
引き寄せられまいと。 紫苑は、思い切り夏樹の腕を掴んだ。)
「はぁっ・・!」
(晃は、夏樹と共に、紫苑を抱え。
訪れるであろう、衝撃に、身構えた。)
「夏樹くっ・・!」
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