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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter105 『風と共に』 105-102
バキッ ガシャーーンッ
(視聴者が撮影した映像は、鮮明ではなかった。)
(それでも、ガラスの様な何かが砕け、北通りが、
爆風と衝撃に包まれる様子が、映し出され。)
(人々が一瞬で、何かに弾き飛ばされていた。)
【ガァァァァーッ!】
(映像は捉えていなかったが、獣の様な咆哮と人々の逃げる足音。
砕け散る瓦礫と、煙が辺りを包んだ。)
「きゃぁっ! 何あの怪物・・!」
(女性の悲鳴と人々がぶつかり合う音。)
(同時に、夏樹のクラスメイト、美菜の叫び声が響いた。)
「何なのこれ・・っ! 嘘でしょ!」
「きゃあぁぁぁ〜〜っ!!」
ガッ・・!
(毛に覆われた、巨大な爪を持つ手が、逃げ遅れた美菜に振り下ろされた瞬間だった。)
(映像は、はっきりと獣の姿を捉えてはいなかったが、
舞い散る瓦礫の衝撃と、血痕。)
(その後、現れた大量の水流が、獣を包み込む様子。
水流と同時に表れた幾人かの、男女の人影。)
(そして、倒れた少女に近づく、一人の少年の姿を映し出していた。)
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