HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter105 『風と共に』 105-105
「はい。 特殊部隊員の存在は、これまで政府は明らかにしていません。」
「しかし、これまで経験したことのない危機に際し。」
「迅速に派遣されたということでしょうか。」
「そうですね。 これは、我々人類とは別の、未知の生物が存在していると
いうことです。」
(コメンテーターは、息を飲んだ。)
「この怪物ということですか・・?」
(モニターに映し出される、怪物の残像に、背筋を凍らせた。)
「いいえ。 彼らのことです。」
(ニュースキャスターは、映像の中に、微かに見える、
FOTメンバーの姿を指さした。)
(そして、最後に、少女が怪物に襲われ、倒れた後ろ姿。
獣と共に現れたかのように見える、少年の姿を、大きく映し出した。)
(瓦礫と衝撃と水流に交じり、顔ははっきりと映ってはいない。)
(それでも、テレビを見ていた桜には、それが夏樹だと分かった。)
(ニュースキャスターは、強く、
印象付けるように。 画面の中の夏樹を指さした。)
「彼は、人間ではないという噂が。 SNS上で拡散されています。」
(コメンテーターはさすがに戸惑い、声を震わせた。)
「これは、人権問題になるのでは・・?」
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