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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter105 『風と共に』 105-130
「我々は、専門家とともに、能力者を制御する術を、
学んで来た。」
「しかし、能力者の暴走により、皆様の安全が、壊されようとしています。」
「この事態に、我々は、立ち向かわなければなりません。」
(壇上に立つ石垣は、不思議なエネルギーを纏い。
聴く者を洗脳した。)
(日頃の高圧的な態度の石垣とは別人で、静かに、画面の向こうから
語りかけた。 それは操り人形のようで、
石垣の魂は空洞だった。)
(石垣を操り、魔力を注いでいるのは、
善だった。)
(抜け殻となった石垣は、国中に、負の力を注いだ。)
「能力者を媒介とし、“闇”と呼ばれる、病が発生しています。」
「国家生命科学研究所は、能力者と“闇”を研究し、
“時の欠片”という物質に辿り着いた。」
(口にした石垣は、ふいに顔を上げ。
一瞬、空洞な瞳の奥に。 何かを思い出しかけた。)
(しかし、また骨ばった両手を組むと。
魔力の奥に、魂を吸い込まれ。 骸骨のようにこけた頬で、
光の無い瞳で、画面を見つめ。
話し続けた。)
「“時の欠片”は、“生命の源”。 我が国に、必要なものです。」
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