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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter14 『窓際の席』 14-9


(その場所は、一般の人から、見えなくなった。)

「残業代付くかな・・。」

「今夜も徹夜に付き合わされたら、たまらない。」

(遠くを見て呟く光に。 葵は微笑んだ。)

「くすくすっ。 私はこの街が好き。 光と居れて、楽しいけれど。」

「楽しいか?」

(光は、仕事などさっぱり楽しくないという顔で、葵を見つめた。)

「ふふっ。」

(二人の立つ場所からは、風見市の街並みが、良く見えた。)

***

「うわっ!」

「夏っちゃん、すげ〜っ!」

「もう、欠片を見つけたんだっ!」

(数馬は、風見ヶ丘小学校の4階の教室から。 ベランダに出て、
遠く緑の森を見つめた。)

(6階建ての小学校は、上に行くほど、上の学年のクラスになる。
風見ヶ丘高校の隣に位置し、
横には、中学、そして。 大学がある。)

(その名の通り、風見ヶ丘と呼ばれる丘の上にある一貫校は、
見晴らしの良い場所だった。)

「あれって、新緑の森のほうだよな〜。」



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