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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter16 『触れてはいけないもの』 16-5


「晃君。」

(聖は、長いストールを揺らし、晃に振り向いた。)

チリリッ

(フェンスに。
金のアクセサリーがぶつかり、鳴った。)

(晃は、黄色の光柱が消えた場所を見つめた。)

(対照的な色彩の二人は、まるで、
光と影の様に、互いを引き立たせていた。)

「晃君。 僕は、さぼっているわけじゃない。」

「こうして、街全体を視野に入れて。 どう結界を張れば、効果的か。」

「深く考えているのさ。」

(言いながら、聖は左手を街並みにかざした。)

(暮れかけた太陽の光に。 左手の、指にいくつもはめた銀の指輪が
時折煌めく。)

「一応、総司令官なんだから。 統括する様なことを

しないとね。」

(聖の笑顔は、屋上から見える太陽を集めたように眩しかった。
聖から発する、強いエネルギーか。
それとも、光を反射する程に眩い服のせいか。 近づけば
他の全ての存在を打ち消すほど強い、バラの香水のせいか。)

(力を使っている時の聖に、近づける人は少なかった。)



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