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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter17 『面影』 17-1


***

「よう!

あんたが、この街の市長か。 よろしく頼むぜ。」

(ドアの向こうから現れた、屈強な体格の剛を見て、
三笠は完全に縮みあがり。 窓際まで、撤退した。)

「し、市長っ、お気を付けてっ!」

「三笠さん・・。」

(誠司は、かなり後方へ退いた三笠へ振り返り。
さきほど、一瞬。 三笠が心強い味方に思えたものの。
今は、頼りにならない状態だと察した。)

「ようこそ、風見市へ。」

「ここまで来るのは、遠かったですか?」

「いえ、聖さんの空間移動の力があれば、

どこへでも行けるのでしょうね。」

(誠司は、剛に向かって微笑んだ。)

(剛は、大柄でたくましい。 短く刈られた茶色の髪に、
軍人の様な服装。 力強い瞳。 反抗すれば、
殴られるのではないかと、三笠を驚かせた。)

(剛は、豪快に笑った。)

「わっはっは!」

「そうか、あんた話が分かるな。」



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