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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter21 『道しるべ』 21-10


ドクンッ・・

『僕を見ている。』

(あまりの威圧感に、夏樹はその場を
動けなかった。)

(まるで、自分だけが、その場に留まり。
街行く、全ての人々が。
夏樹を残し。 素早い時間の流れを通り過ぎていく様だ。)

ザワザワ

(人波に取り残される錯覚と、
強い気配に。

夏樹は目まいを覚えた。)

「・・っ。」

ドクンッ・・

(射る様な強い視線が、
夏樹を捉えていた。)

***

[「周囲に、“闇”の気配を察知しました。」]

[「オート、オペレーションモード作動します。」]

(紫苑の、両手のひらの中で。
小さな黄色いひよこが。 可愛いくちばしを開き。 突然しゃべりだした。)

「えっ?」



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