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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter21 『道しるべ』 21-11
(両手に乗る。
柔らかな羽根の、かわいいひよこに。
紫苑は、驚き、近くで覗き込んだ。)
「ぴよちゃん・・しゃべれるの?」
「・・女の人の・・声?」
[「自動、空間結合まで、カウントダウンを開始します。」]
(小さなひよこは。 くちばしをパクパクさせ。
女性の声で、カウントダウンを開始した。)
「何の・・カウントダウン?」
(驚いた紫苑は、ひよこを手に。
立ちつくした。)
(明るく長いベージュ色の髪が、ピンク色に染まる頬を包み。
赤い、大きなリボンの下で。 紫苑の胸は高鳴った。)
[「5秒前・・。」]
***
「はっ!」
(その時。 夏樹は、すぐそばで、
“闇”の気配がしていることに初めて気付いた。)
(自分に向けられた、強い視線の気配に遮られ。
“闇”の気配が、側に来るまで。
気づけずにいた。)
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