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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter21 『道しるべ』 21-12


「・・可動している・・。」

(夏樹は、左腕にかけた黒い腕時計が。
作動し始めたのを見た。)

「僕じゃない。」

ピッ

(恐ろしい不安にかられ、
瞬時に前方を見た。)

(“闇”の気配が流れ出したその場所に。)

(1台のバスが止まり。
扉が開いた。)

ガガッ

(おそらく、今朝見かけた、女性が。
降り立つであろうその場所に。)

(茫然と、立ちつくしている
一人の少女がいる。)

(茶色のプリーツのスカート。
制服に身を包むその少女の手に、

小さな、黄色いひよこが乗っているのを
夏樹は見た。)

[「4・・。」]

「・・!」

『うそだろう・・!』



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