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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter22 『雪の中の幻』 22-1


ザァァァーッ

(空間誘導システムの淡い黄色の光柱の中で。

夏樹は、幻を見た。)

サァァァッ

(吹き抜ける風を越えると。

夏樹の目に飛び込んできたのは、白い雪景色。)

サァァッ

(わずかな粉雪が、大きく、見開かれた。 深い紺色の瞳を
通り過ぎた。)

(冷たい風が、少しくせづく深い、紺色の髪をなびかせる。)

『ここは・・?

どこだ・・?』

(それは、夢ではなかった。)

(夏樹の右腕には、紫苑を抱きとめている感覚がある。)

(だが、風を身にまとい。 身体を浮かせている時の様に、
夏樹はその場に浮かんでいた。)

(そしてそこは、現実とは違う。 時の流れの中だと。
なぜか感じた。)

『あれは・・?

僕?』



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