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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter22 『雪の中の幻』 22-2
(見下ろす高さから見えるのは。
一面の、雪野原。)
(ただ、広い。 白い世界。)
(灰色のグラデーションの空と。 雪野原に時折見える、
寒そうな、枯れ木たち。)
サァァッ
(緩やかな起伏の。 続く白銀の丘に、
小さな人影が。 遠く。 粉雪の向こうに見えた。)
『・・僕だ。』
『なぜか、そんな気がした。』
(深い紺色の瞳に映った小さな人影は。
僅かに振り返り、誰かを探していた。)
サァァッ
(小学生程の、幼い夏樹が。 雪の丘に居た。)
『半ズボンに薄いパーカーの上着。』
『その時の服装が記憶に残っている。』
『あれは・・、あの時。』
『母と、最後に居た時に・・、着ていた服だ。』
(幼い夏樹の、大きな紺色の瞳。 雪が積もる深い紺色の髪、白い息を吐く、白い肌は。
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