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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter25 『芝居』 25-12


(聖は、眠る紫苑を腕に抱き。
微笑んだ。)

***

(晃と時雨、橘は、
屋敷への帰路につく。
黒と紫の入り混じる、マーブル模様の空間通路を
歩きながら。)

(先程のことを振り返った。)

コオオッ・・

(晃は、隣に立つ。
細身の、老紳士を見た。)

「橘。

あいつと一緒に、夏樹をからかうのはよせ。」

「お前の芝居は上手過ぎて。

冗談が通じない。」

(橘は、小さな丸い眼鏡の奥で、
穏やかに微笑んだ。)

「ほっほっ。 これはこれは、

申し訳ございません。 晃様。」

(それを聞き。 時雨は、晃に忠告した。)

「俺も、お前も。 いつまで。 あの馬鹿親子に、付き合えば良い?」



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