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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter25 『芝居』 25-2


(橘は、最も良識のある人物だったが。

聖の命令に背いた事は、一度も無い。)

(夏樹は、橘と、ひよこのやり取りをしていた時が、
遥か昔の事に思えた。)

『・・どうすれば・・。』

ヒュオッ

(目の前に現れた橘の気配に、戸惑っている間に。)

(夏樹の背後に、二人の人物が、姿を現した。)

バッ

(夏樹は、自分の背後から、
紫苑に向けて伸ばされた大きな手に、気付けなかった。)

(紫苑は、小さく息を漏らした。)

「・・あっ。」

フワッ・・

「・・!」

(夏樹が、気づき。
振り向いた時。)

(紫苑は、背後から現れたもう一人の人物に。 振り向くより先に、
視界を覆う大きな、その白手袋の手に。)

(静かに、両目を塞がれ。)



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