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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter27 『我がまま』 27-1


***

「聖・・。」

(夏樹は、広いリムジンの後部座席。
心地良い、白いクッションに身をゆだね。 すぐ隣で、

真っ白なスーツの膝に、すやすや眠る紫苑を抱き、
大きな窓ガラスに肘をつき座る聖を見つめた。)

チリッ

(頬づえを付く聖の右手で、金色のアクセサリーが鳴る。)

「夏っちゃんは、

一人で良くやったよ。」

「あのまま、彼女だけ異空間に取り込まれたら。

命が危なかったかもしれないね。」

「非常事態に、多少の無理は仕方がない。

夏っちゃん。」

「良くやった。」

(聖は、金色の瞳に。 こぼれそうなほど眩い光を集め、満面の笑みで
夏樹に微笑んだ。)

(流れる、長い銀色の髪の奥。 眩い瞳が、
自分に微笑むのを見て、
夏樹は、全ての感情に勝って。 自分の中に、嬉しさが込み上げるのを感じた。)

「・・・っ。///」



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