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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter29 『ふつつかな』 29-6


(自分の顔を心配そうに覗き込む、深い紺色の瞳。
白い肌は、まるで、透き通る様。)

(流れる深い紺色の髪は、水滴に濡れていた。)

(気づいた千波が、夏樹に声をかけた。)

「あっ!

髪、早く乾かしなさいよ・・。 さっきも言ったのにっ。」

「千波ちゃんが、途中で呼ぶからだろう。」

(シャワーを浴びた事で、不機嫌になっている夏樹が。
タオルを片手に、千波と言い合っている様子を見て。
紫苑は、何だかほっとした。)

「良かった。」

「ほんとは・・、夢なんじゃないかと。

思ったの・・。」

「あなたが、あんまり突然。

目の前に現れたから・・。」

「夢だったのかもしれないと思って。」

(千波は笑顔になり、夏樹を後ろから抑え込むと。
紫苑の座るベッドに身を寄せた。)

ギュッ

「うわっ。 ちょっと、千波ちゃん・・っ。」



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