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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter34 『そのままで良い』 34-1
ガガッ
(Fragment of Time本部の、正面玄関。
周囲の、ビル群から反射する。 夜景を映し出す様な、巨大なガラス扉が開いた。)
(少し涼しい夜風の中から、まだ数人の人が行き交う玄関ロビーに、
菖蒲は戻った。)
トットッ
(来客者達や、黒づくめの執事達など。
いつも夏樹を取り囲んでいた環境は、変わらずにそこにあった。)
(重苦しい威圧感と共に、抑揚の無い声が聞こえた。)
「お帰りなさいませ。
菖蒲様。」
(黒いサングラスを掛けた、国からの使いである黒服の執事達が、
菖蒲を見つけ、声をかけた。)
「今日は、夏樹様の側に居なくて、良いので?」
(黒服の執事の口元がにやりと笑った。)
(菖蒲は、すぐに自分を取り囲んだ数名の執事達の真ん中で、
普段夏樹が、どんな思いで居たのか察した。)
「私は、あなた方とは違います。
主人を監視しているわけでは、ありませんので。」
(サングラスの黒服の執事は、菖蒲をあざ笑う様に笑った。)
「くっ、それは失礼致しました。」
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