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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter37 『時を生きる』 37-2


「それに・・。」

「結界創りに、集中しないから。」

(聖は、バラの壁の先へ。 星空の彼方へ目を細めた。)

「僕は・・、

別に、闇化を防ぎたいわけじゃない。」

(見上げる聖の銀の髪や。 幾つもの金の装飾が、
月明かりの下で、煌めいた。)

「だって、そうだろう?」

「分かっている事は、一つ。」

「皮肉にも。 “時の欠片”は、

闇化しなければ、取り出せないのだからね・・。」

(金色の瞳は、流れる銀髪の奥で。 揺れた。)

(白いスーツ姿の足は、まだ、アンティーク扉の前で止まっていた。)

「くっくっ。

君は、意地悪だ・・。」

『この扉の向こうに、いつも居るとは限らない。』

「僕が君を愛した代償に。

まるで、僕を試している様だね・・。」



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