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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter37 『時を生きる』 37-1
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(聖は、アンティークの門の前に立った。)
(目の前に広がるローズガーデン、生い茂る緑の枝が、
より深く。 暗く。
仄暗い夜の森の中で、自分の位置さえも、見失いそうなのは。
空間移動の中の、道に似ていた。)
カサッ
(香るハーブを抜け、聖の真っ白な靴に、
夜露と、心地良い香りが、付く。)
「今日は・・、
君に、話したい事がある。」
「君以外に、聞いてくれる人なんて、
居ないからね。」
『辺りを取り巻く、強いバラの香りが。 僕の目的地を示していた。』
『どこへ行っても。 ここへ、帰って来られる様に。』
(聖の、流れるような、銀色の髪が。
夜空の雲の切れ目から、差し込む月明かりに。 時折煌めく。)
「くっくっ。 ここへ来る事を、晃君に、叱られても
仕方がない。」
「さぼっている様に見えて、当然だろうね?」
(聖は、頭上に高くそびえる。 バラの砦の様な、枝で作られた壁を見上げた。)
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