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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter37 『時を生きる』 37-7


【いつか、あなたの願いを止めるため・・。】

(粒樹は、深い紺色の瞳で聖を見つめた。)

「・・粒樹。」

(聖は、粒樹に触れるほど近づき。
そっと、長い指先で。 粒樹の深い紺色の、柔らかなソバージュの髪を撫でた。)

「くっくっ。 誰にも、僕の願いを止めることは

出来ないよ?」

「もしも、そうなら困ったことになる。」

「僕の願いを阻むものがあるのなら・・、

僕は、全力で。 立ち向かわなければいけないな。」

「それが、誰であろうと。」

(聖は、粒樹の小さな頬に触れた。)

【もしも、誰かを傷つけることになっても・・?】

(粒樹は、聖に問いながら。 自分の頬に触れている。
銀の指輪の光る手に、そっと。 白い小さな手を重ねた。)

「そうだね。」

(金の瞳が月明かりに揺れた。)

【誰かを、裏切る事になっても・・?】

(聖は粒樹に触れ、引き寄せると。 静かに。 傍らにあるベンチに腰を下ろした。)



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