HOMENovel

Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter38 『現実の世界へ』 38-2


「ん〜ん。 夏樹を起こさなくて良いなんて、新鮮っ。」

「くすすっ。 制服は送り届けておいたし〜、お弁当は、菖蒲くんに届けてもらえば

良しでしょう?

朝ご飯は〜。 今日は、管理人さんのお言葉にv 甘えちゃおうっv」

「近々、ごあいさつに行かなくちゃv」

「ああ・・、でも

夏樹に、日課の朝一、冷たいぞチェックが出来なくなるのは・・寂しいなぁ〜。」

「ううんっ。 ダメダメッ。」

「夏樹をあんまり甘やかしちゃv 紫苑ちゃんに任せなくっちゃねv」

「ふんふんふ〜ん♪v」

(千波は、かわいい靴でリズムを取りながら。 屋敷の夏樹の部屋の、
閉じられた扉に背を向け。
キッチンへと続く、一階への木製階段を下りた。)

(風合いのある木の手すりが、温か味を醸し出す。 年月を感じさせる、
アンティーク造りの洋館が、
FOTメンバーの家だった。)

(昨日から、唯一人、夏樹を除いて。)

(千波は、下の階へ続く階段の踊り場から。 明るい、朝の日差しが差しこむ窓を、
見上げた。)

「今日も一日。 みんなにとって、素敵な日になりますようにv」

(千波は、太陽に向かって微笑んだ。)



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ