HOMENovel

Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter38 『現実の世界へ』 38-1


チュンチュンッ チチチチッ

(早朝の日差しを浴びて、屋敷を取り囲む。 緑の森から、
小さな子鳥が飛び立った。)

サァッ

(緑の木々の天辺を、涼しい風が揺らし。 風は、四本柱の建つ、白亜の洋館の玄関から、
少し歪んだ、二階の窓ガラスへ吹き込んだ。)

(開け放たれた窓から、風は、千波の部屋の白いレースのカーテンを揺らした。)

「ん〜v 今日も、お洗濯日和ねv」

(千波はお気に入りのエプロンをかけ、腕まくりをしながら立ちあがった。)
(ポップでカラフルな服に、クローバーの小さなヘアピンを髪にとめていた。)

「もう少ししたら梅雨の季節だから。

自然乾燥出来ない時もあるわよね〜。」

「ん。 白くんに頼めば良いかv」

(千波は、水を操る白の、水分吸水力に期待した。)

「ああ、いけないっ。 今朝は聖が、国からお呼び出しかかってるのよね?」

「ふふっ。 夏樹のことで、無茶を通したから。

きっと、お偉方に叱られるんだわ。」

「しっかり、朝ご飯食べさせなくっちゃ。」

パタタッ

(千波は張り切ってキッチンへ向かい、部屋を出た。)



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ