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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter38 『現実の世界へ』 38-4
遠くに居る存在の様に、感じられてならなかった。)
「・・おはよう。 僕はもう、行かないといけないな。」
カチャンッ
キキイッ
(その時、アンティークの扉が、静かに。 向こう側から開いた。)
(振り返り、腰を起こした聖の視線の先で、小柄な、英国風老紳士が。 待ち構えていた。)
「おはようございます。 聖様。」
「そろそろ、朝食のお時間でございます。」
(開かれた、ローズガーデンの扉の向こうには、笑顔の橘が立っていた。)
(白い眉毛、柔らかに蓄えた白い髭の口元で微笑み。 小さな丸眼鏡の奥で、
灰色の温かな瞳が、微笑んだ。)
「ああ、おはよう。 橘君。」
「今日の予定は、どうだったかな?」
(聖は、軽やかに立ちあがった。 同時に、小さな少女は、その場から消えていた。)
「はい。
本日は、首相より、要請がございました。 時の欠片プロジェクトの参加大臣様を
交えまして、臨時の特別全体会議がございます。」
「くっくっ。 つまり、前首相とそっくりな。 石みたいな顔で、また僕を
叱りつけようという訳さ。」
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