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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter38 『現実の世界へ』 38-5


「だがね、橘君。

僕は、今日。 助っ人を呼んであるんだ。」

(アンティークの扉に向かって歩き出す、聖は。 金色の瞳で楽しげに微笑んだ。)

「助っ人・・でございますか?」

(橘は、聖の笑顔に、共に微笑んだ。)

「彩君だよ。」

「彩君が、良いデータを持ってきてくれるはずだ。」

(聖は微笑み、アンティークの扉から、外へ出た。)

「左様でございますか。」

(橘は、ネクタイピンから、合い鍵である、小さな銀の鍵飾りを外し。
聖の代わりに、扉に鍵を掛けた。)

カチャンッ・・

サクッサクッ

(二人は、屋敷の裏手へ続く、ハーブの庭を抜け。
強いバラの香りに混じり、微かに朝食の。 焼きたてのパンの香りのする小道を、
屋敷に向かい歩き出した。)

「聖様、本日は。

晃様と、艶様が、お休みを頂いております。」

(細い小道を、屋敷へ向かい歩きながら、
後ろから橘が、聖に告げた。)



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