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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter41 『追跡者』 41-12


来れないかもしれないから。」

「・・聞いてませんね?

夏樹様。」

「聞いてるよ。

闇の他にも、敵は居るっていうことだろう?」

(夏樹は、透き通る程蒼白な頬の前で、白い両手を組んで微笑んだ。)

「だからと言って。 僕のやる事が変わるわけじゃない。

闇化してからしか、欠片を取り出せないのなら。」

「出来るだけ、早く。

その人の側に居たい。」

「はい。

畏まりました。」

(菖蒲は、白手袋の手でハンドルを切り。
一つの空間通路の出口を目指した。)

キキッ

ブブンッ・・

(空間通路の扉の向こうに。
白いリムジンは消えた。)

(残された、黒と紫が入り混じった、マーブル模様の渦巻く気流の中に。



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