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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter42 『向こうとこちら』 42-1


「はぁ・・。

またFOTがやってくれましたな?」

(二人の大臣は、黒い柱の並ぶ、官邸の。 大会議室へ向かい、
黒い石の床が続く細い廊下を、歩いていた。)

「いずれそれ相応の、見返りがあると分かっておりますから

多少の事は、良しとしても・・。」

(小柄な大臣が、ハンカチで汗を拭いながら。 隣を歩く別の大臣に耳打ちした。)

「あまり首相と遣り合うようでは、

支持の仕様もないというものですな。」

(隣を歩く痩せぎすな大臣が、まったくそうだと頷いた。)

「その通りで・・。」

「あの男は、どうやって国から権利を得たものやら?

前首相の時から、引き継いでいると聞きますが。

度々問題を起こす・・。」

「それでも未だに、首相は、あの男にプロジェクトの全権を任せておいでなのだから。

我々もそれに従わざるを得まいが・・。」

「これでは、おちおち。 我々の未来を、預けるわけにも行きますまい?」

トットッ

「全くですな。」



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