HOMENovel

Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter47 『横顔』 47-6


(紫苑が居れば、おそらく悲鳴をあげたであろうその姿に。
夏樹も鳥肌が立った。)

ゴオッ

「こいつ・・。

いい加減、その人から出てくれ。」

(夏樹は右腕に強い風を集め、火柱を集め飛んでくる闇に向かい、
解き放った。)

ゴオオーッ!

【ガァァッー!】

(風の音にぶつかり、闇の唸りが、辺りにこだまする。)

ヒュオッ

(強い潮風を受け、闇は後退した。)

「よし。」

(夏樹は、闇がひるんだ隙に。
風見通り異空間の四方に、視線を走らせた。)

(まっすぐに続く銀杏並木の先にある商店街。
反対の、カーブして続く銀杏並木の向こうにも。

誰も居ない。)

(風見通りとそっくりに創られていたが、そこは、
自分と闇の他。
眼下に立ち止まっている。 菖蒲以外に、夏樹には誰も見えなかった。)



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ