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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter47 『横顔』 47-8
(しかし、夏樹のガードは固く。
翼を持った闇でも、切り崩すことは出来なかった。)
「ふぅ〜ん。
この程度の魔法じゃ、だめみたいね。」
(クロエは、実体を持たない、透き通る様な、透明な身体をしていた。)
(夏樹のすぐ間近の上空に浮かびながら。
つまらなそうに、夏樹の蒼白な程に、色白な顔を見る。)
(透き通る程に透明な肌は、血の気を引いているようにさえ見えたが、
その表情には、落ち着いた余裕があった。)
「そんな顔じゃ、ダメよ。」
(クロエはしなやかな指を小さな頬にあて、
にっこりと微笑んだ。)
「それなら・・、
こっちはどう?」
(クロエは長い腕をしなやかに、夏樹と反対方向に向け、
地上を指示し、伸ばした。)
ブブンッ
(金の星座が散りばめられたような赤紫の服が、クロエの動きに煌めいた。)
(まるで、蜘蛛の糸の様に、ポニーテールから、身体に纏わりつく長く黒い髪が。
指先から放たれる魔力の振動に。 美しく、クロエの肩や胸に流れる。)
(クロエは再び、美しい指先で、模様を描き出した。)
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