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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter54 『夕暮れの風見ヶ丘』 54-12


(佐織は、興味あり気に、遠くから。
紫苑と夏樹を見つめた。)

「ふふっ。 ええ、そうね。」

(チイも微笑んだ。)

「よ〜し、ここはわたしたちも一緒に・・。」

(佐織が、二人に近づこうとした時。
遠く、校舎の方から、佐織を呼ぶ声が聞こえて来た。)

「さおり〜っ!!」

「なにしてんのっ!?」

「顧問の先生怒ってるよ〜っ!」

「佐織が来ないとっ、試合相手になるやつがいないってさ〜!」

(佐織は、一瞬ためらったのち、
がっくりして、後ろを振り返った。)

「うう〜んっ。

わかった! 今行くわよっ。」

「ったく、どいつもこいつも! 弱いんだからっ。」

「待ってなさい!」

(佐織は、チイに笑顔で手を振ると。
校舎に向かって踵を返した。)

「ふふっ。」



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