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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter56 『傍にいる』 56-16
(小さな、一粒の雨粒が。 晃の頬に落ち。 晃は、雨雲を見上げた。)
「雨だな・・。」
(晃は、目的地に着き。 そっと、手元の和蝋燭を、傍の、石段に置いた。)
ポッ ポッ・・
「心配するな。 これは、艶の火だ。 ここは、俺とお前の他。
邪魔者は来ない。」
「・・一月ぶりだな。」
(晃は静かに、語りかけた。)
(黒い髪に、雨粒が。 集まる。)
サーッ・・
(雨は、次第に。 降り始めた。)
***
「兄様の黒服は・・、兄上と同じ・・喪服じゃ。」
(黒い袴姿の男性の、膝の上で、艶は。 目を開け、つぶやいた。)
「本当は、もっと会いに来たいのじゃ。」
「・・FOTが、忙しいからの。」
「それに、やわで不健康なやつもおる・・。」
(男性は、翡翠色の瞳で瞬いた。)
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