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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter56 『傍にいる』 56-2


「お前たちが、ずっと。 立って居てくれるおかげで。

俺は、やっと通れる。」

「俺以外の奴を、通さないのは。

そいつの為だ。」

「これからも頼む。」

(深い影を作り出す巨木は、ザワザワと揺れ。
晃に答えた。)

「さて、行くか・・。」

「・・ったく。

FOTをやっている方が、まだ気が楽だな。」

(遥か遠く、山頂に待っている試練を思うと。 晃は毎度気が滅入った。)

ザッザッ・・

(開いた草の道を通る。 晃の、左の腰に、FOT No.2と刻まれた。
金文字のピンバッジが光っていた。)

***

「ふぅ・・。」

(山道を登り。
晃は、巨大な、緋色の鳥居の前で、立ち止まった。)

(その場所は、突然現れた。 険しかった山道が嘘の様に。
鳥居から、向こう側は。 切り開かれた、土地が広がっていた。)



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